堅実にFIREを実現する
2020-09-20
FIREをなぜしたいのか
みなさんはFIREしたいでしょうか?
そう質問されると「はい」と回答する人が大多数かと思います。
ただ、なぜFIREしたいのか、FIREして何をしたいのか、と質問されると明確な回答ができない人が多いです。
「とにかく今の辛い現状から抜け出したい」
「社畜はもう嫌なんだ」
このような回答をする人も多いのではないでしょうか。
残念ながらFIREは現実逃避のための手段ではありません。結果的に辛い現状から回避することはありますが、FIREは現実逃避のための手段ではなく”自己実現”のための手段です。
現状が嫌だからとにかく楽になりたい、と考えるのではなく、まずは理想の生活を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
FIRE後のライフスタイルを考える
まずFIRE後の生活を考えてみましょう。
田舎に広い庭の家を買って犬を飼って夫婦で過ごす。海の言える別荘のような家に住む。沖縄に移住して毎日ダイビング。山の中に住む。マレーシアに移住する。毎日友人たちと飲み歩きたい。好きだけど稼げない仕事をしたい。考えるだけで夢が広がりますね!
挙げて頂いたFIRE後の生活はどんな生活でも大丈夫です。次に、その生活にはどの程度のお金が必要か計算してみてください。
もし家を買う場合は初期費用として数千万円、毎月の生活費は現状より多少落とすとしても十数万円~数十万円程度かかるのではないでしょうか。
なぜ支出を考える必要があるかというとFIRE時の必要資産の計算に大きく関わるからです。
月単位で見たら大きな差にはなりませんが、例えば支出が月13万なのか15万なのか、50歳で引退して85歳まで生きる場合、トータルで840万差が出ます(2万×12か月×35年)。
言い換えると、支出が月13万ではなく月15万の場合、50歳までに840万多く資産を貯める必要があるということです。
資産運用することも考えると1000万以上の差は確実です。
月の支出金額 | 35年間の合計支出金額 |
---|---|
13万円 | 5460万円 |
15万円 | 6300万円 |
また、極端な例を出して言えば、月60万円の生活を望む人と月15万の生活で十分な人では単純計算で4倍の支出差がありますよね。 4倍ほどの差にもなると、FIREに向けた資産形成に数十年の差が出ることになるでしょう。
FIREを真剣に考える人はまずはFIRE後の支出を真剣に計算してみてください。
現状の支出について全然想像もつかない人は、まずは家計簿をつけて現状の生活にいくらかかっているか把握することから始めることをオススメします。
FIRE後のイメージから見えてくる必要資産
FIRE後の生活についてイメージできればあとは必要資産を試算するだけです。
必要資産は結局は以下の3点に尽きます。
- 運用資産
- 運用利回り
- 支出
計算は単純で、FIRE後に以下を維持できればOKです。要は増加する資産より支出が少なければお金が減らないという考えです。
運用資産×運用利回り > 支出
式はわかったけど運用利回りはどう考えれば良いの?って話になりますよね。
この公式を使用したもので、FIRE界隈で一般的によく言われるものに4%ルールというものがあります。
この記事では詳細説明は省きますが、米国S&Pのインデックス投資の成長率7%からインフラ率3%を引いた4%を期待利回りとするという考え方です。
FIRE後も日本に住む前提の場合、日本のインフレ率・為替を考慮しなければなりませんが、それでもここ数十年の様子を見ると一旦は4%ルールで考えて良いと思います。
そしてここから逆算すると、FIRE後の年間支出の25倍の資産を気付けばFIREできるということになります。
例を挙げると、FIRE後に年15万の生活(年間180万)をする場合、4500万貯まればFIREできるということになります。
もう少し良い暮らしをしたい場合、年20万の生活(年間240万)であれば、6000万貯めればOKです。
実際に計算してみると、月の生活費が5万違うだけで目標とする資産額が大きく変わることがよくわかりますね。
FIRE後のリスクに備える
必要資産について大まかな計算はできましたが、現実はこう簡単ではありません。
想定外の支出もあるでしょうし、堅実なFIREを実現するためには以下のような要素も考慮しなければいけません。
- FIRE後に細々と働く
- 年金の受給
- 病気
- 介護
- 想定以上の長生き
- 運用利回りの下振れ
FIRE後も割と働く気がある人、昔から体が弱い人、親族の寿命がみんな長い人、人によって気にする点は異なります。
しかし結局全ての不安は収入の減少と支出の増加の2点に集約されるため、当サイトでは運用利回り3%でも老後安心に暮らせる程度の資産を形成してからFIREすることをオススメします。
「いやいや、運用利回り1%変わっただけじゃん」と思う人も多いかもしれません。でも1%ってとんでもなく大きいですよ。
FIRE後に年15万の生活(年間180万)をする場合を例に挙げると、運用利回り4%であれば4500万でFIRE(180×100÷4)。3%であれば6000万でFIREになります(180×100÷3)。
6000万あれば運用なしでも33年生活できる程の金額です。ゴールは遠くなりますが、その後の安心には大いに貢献してくれることでしょう。
「いや、目標資産額が高くなっている・・・」と思う人もいるかもしれませんが堅実にFIREするためには仕方がありません。もちろん運用利回り4%前提でFIREする人もいますので何を重視するかで考えてみてください。
本サイトでは「超早期に会社を辞める」より「超早期でなくても安心して辞める」ことに主軸を置いていますが、間を取って運用利回り3.5%としても全然OKです!
まとめ
堅実なFIREを実現するための全体像を書いてみましたが、いかがだったでしょうか。
FIREは努力次第で誰もが手にすることができることだと思います。
ただ、FIRE後に想定外の問題が出てしまったり、不安を抱えつつ生活している人のTwitterやブログが散見されているのが現状です。
安心・安全のFIREを実現するためにまずはFIRE後の生活イメージを固め、現状の支出を把握するために家計簿を付けるところから初めてみてはいかがでしょうか。
本記事では全体像を理解してもらうことに主軸を置きましたが、別の記事で各項目の詳細について記述しますので是非参考にしてみてください。
ポイント
- FIREの目的を明確にする
- FIRE後の生活を想像する
- FIRE後の生活費を計算する
- FIRE時に必要な資産を計算する
- FIRE後のリスクを考慮する
堅実なFIREを実現するツールを作成しているフリーエンジニアです。個人事業主→法人化検討中。
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